広島大学大学院 医系科学研究科

消化器内科学

(旧第一内科)

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研究室案内

膵臓研究室

膵臓研究室は、膵胆道系疾患を対象に幅広い臨床・研究活動を行っています。

なかでも膵癌、胆管癌は早期診断が難しく、癌の中でも予後不良なものとされています。一般に、膵癌においてはERCPやEUSといった手法を用いて診断を行いますが、当研究室では、これらの手法に加え、膵液中の細胞からテロメラーゼ活性を測定することで、より早期の膵癌診断を行っております。また、治療面においては、生検などの材料をもとに悪性度を評価し、患者さんのQOL(Quality of Life)を考慮した治療法の選択を行い、よりテーラーメイドに近い治療を目指しております。また、近年、当研究室の膵胆道系疾患の患者数は急速に増加しており、多彩な検査・治療を習得した医師の育成は不可欠と考えております。われわれの仲間が増えることを大いに期待しています。

診療研究紹介

診療

診療対象の疾患は、膵癌や胆道癌などの悪性疾患から、急性・慢性膵炎、自己免疫性膵炎、硬化性胆管炎、総胆管結石、良性胆道狭窄などの良性疾患まで多岐にわたります。若い先生方にも積極的に検査・処置を行っていただく方針ですので、臨床技術を身につける場としても非常に良い環境となっており、幅広い膵胆道系疾患に対応できるエキスパートの育成に力を入れています。

検査および処置の件数

  • ERCP 関連手技
    年間1000件 (うち IDUS 90件)
  • EUS
    年間450件 (うち EUS-FNA 50件)
  • PTBD 関連手技
    年間500件 (うち 初回穿刺 80件)
経口膵管鏡(POPS)、経口胆道鏡(POCS)、内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ(ENGBD)、内視鏡的乳頭切除術(EP)、ダブルバルーンERCP(DBERCP)、内視鏡的消化管ステント治療、内視鏡的膵石治療、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)なども行っています。

臨床研究

  • ERCP後急性膵炎の早期発見マーカーの検索
  • ERCP後急性膵炎に対する膵管ステントの予防効果の検討
  • ERCPにおけるguidewireを用いた新たな挿管法の確立
  • 進行膵癌に対する化学放射線療法および
    Gem/S-1以外の抗癌剤を用いた併用化学療法の検討
  • 悪性十二指腸狭窄に対する内視鏡的治療の研究

基礎研究

臨床検体、膵癌細胞株を用いた膵癌診断マーカーの探索
膵癌は、早期診断が困難であり進行した状態で発見されることが多い疾患です。近年、SPANやDUPANといったマーカーが使用されていますが、早期診断マーカーとしては十分とは言えません。当研究室では、血清や膵液などの臨床検体や膵癌細胞株を使って膵癌の診断マーカーの探索を行っております。
膵癌細胞株を用いた膵癌発生メカニズムの解析
膵癌の発生にはK-rasの遺伝子異常が報告されていますが、未だに不明な点が多くあります。当研究室では、癌遺伝子、癌抑制遺伝子に着目し、臨床像、病理などとの関連性を検討しております。また、細胞増殖シグナルを中心とした解析により、癌増殖のメカニズムの解明を目指しております。

研究室スタッフ紹介

スタッフ
講師 : 芹川 正浩
診療講師 : 石井 康隆
助教 : 壺井 智史
医科診療医 : 津島 健
大学院生 : 12名