2025年04月02日
山本 卓哉 先生 厚生労働省 (東京都霞が関)
2023年4月から2025年3月までの2年間、厚生労働省に医系技官として出向しました。

厚労省の外観
はじめに
そもそも医系技官って何?私もその存在すら知りませんでした。厚労省HPでは、医師免許を持ち、専門知識を活かして保健医療の仕組みを築く行政官。よくわからないと思います。私の体験を、ほんの一部ですが紹介できればと思います。
医系技官の仕事
臨床医とは違い基本デスクワークです。スーツを着て、電車通勤です(東京の満員電車はすごいですね)。最初の配属先は食品行政の部署でした。「食品???」でしたが、仕事を通してその意味が分かるようになりました。食品による健康被害を予防したり、被害発生時の対応策など、そうした点を検討するには、医学知識を持った医系技官が必要になります。
臨床医は、目の前の患者を良くするにはどうするか?なのに対し、医系技官は、社会全体の健康を確保するにはどうするか?という視点だと思います。臨床であれば患者が良くなる過程がわかりやすく見えますが、行政の仕事ではそこがなかなか見えづらい。そんなジレンマもありますが、社会に働きかけるスケールの大きさが、医系技官のやりがいでもあると感じました。
医系技官の面白いところ
厚労省は医系技官以外の職種の方もたくさん働いていて、自分の知らないことをたくさん教えてもらうことができます。医療以外の色々なことに日々触れることができ、とても新鮮です。また、時には国会議員の方々からお話を伺ったり、国会の答弁資料作成、実際に国会に赴く経験もしました。こうしたことは臨床医では体験できないことなので、医系技官の仕事ならではで、面白いものでした。
さいごに
出向期間は終わりますが、これから本職の医系技官として続けて働くことになりました。医師だからこそできることが行政の場にもたくさんあると思います。臨床からは離れますが、社会のために自分の立場でできることを頑張って続けていきます。出向の機会をいただき、ありがとうございました。
最後に。もし医学生や研修医の方が見てくれていたら。医系技官も楽しいですよ。