2024年04月18日
宮本亮先生の論文がExperimental and Molecular Pathology誌にアクセプトされました。
論文名 : Analysis of anti-tumor effect and mechanism of GLS1 inhibitor CB-839 in colorectal cancer using a stroma-abundant tumor model
コメント : Glutaminase1(GLS1)は、癌細胞におけるグルタミン代謝の重要な酵素であり、腫瘍促進因子として作用することから、治療標的として期待されてきました。近年、特異的にGLS1を阻害する薬剤、CB-839が開発されましたが、大腸癌に対する先行研究の多くは臨床検体の免疫染色やin vitroでの研究に限られていました。本研究ではデータベース解析、臨床検体での解析、in vtiro実験に加え、同系免疫応答系の同所移植大腸腫瘍モデルを用いた治療実験を行い,網羅的な遺伝子発現プロファイルの変化に基づき抗腫瘍効果の機序を探索しました。CB-839は大腸癌における間質の活性化、腫瘍増殖、遊走、血管新生を阻害することが明らかとなりました。免疫染色、マウスモデルでの治療実験やRNAシークエンスなど、膨大な時間と労力をかけた研究になりましたが、大腸癌の新たな治療選択肢を考える上で、本研究が少しでも役立てば幸いです。本研究において、実験手技や論文作成を丁寧にご指導いただいた瀧川先生に心より感謝申し上げます。