2025年01月14日
博士課程の中原 輝さんの論文がJournal of Proteome Research誌にアクセプトされました。
論文名 : Multi-omics analysis of liver molecular dysregulation leading to non-viral related hepatocellular carcinoma development
コメント : 近年、非ウイルス性慢性肝疾患を背景とした肝細胞癌が増加傾向にあり、発症に至るまでの多様な背景から効果的な治療法が確立できていません。今回の論文では慢性肝疾患から肝細胞癌を発症した肝臓の非癌部を採取し、トランスクリプトームとメタボロームのマルチオミックス解析を行うことで肝細胞癌発症へとつながる分子異常を明らかにし、効果的な予防法確立のためのターゲットを特定することを目指しました。その結果、炎症関連と老化関連の慢性肝疾患サブタイプが同定され、それぞれ異なるメカニズムを介して癌化に至る可能性が示唆されました。今後は、これらのサブタイプに特異的な分子標的を基盤とした個別化予防戦略の開発が求められます。
ご指導いただきました大野敦司先生、Nelson Hayes先生をはじめとする全ての先生方に厚く御礼申し上げます。