2025年06月01日
山﨑 慎太郎先生の論文がJournal of Gasteroenterology誌にアクセプトされました。
タイトル : Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease affects the development of hepatocellular carcinoma after sustained virologic response in chronic hepatitis C patients
コメント : 本研究では、C型肝炎ウイルス(HCV)治療によってウイルス学的持続陰性化(Sustained Virological Response:SVR)達成後の肝細胞癌(HCC)発生に対する、脂肪肝の新しい疾患概念であるMASLD(Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)の影響に着目し、SVR達成の時点でMASLDに該当するか否かによってHCCの発生率を検討しました。
その結果、MASLD該当群においてDe novo HCC (HCCの既往がない方に新たに発生したHCC)発生リスクが有意に高いことが明らかとなりました。
現在の定義では、HCV感染後の脂肪肝はMASLDではなく「Miscellaneous」に分類されますが、本研究のようにMASLDの診断基準を満たすHCV SVR後症例でも発癌リスクが高い可能性があることから、今後のリスク層別化や経過観察において注意が必要と考えられます。
本研究の遂行にあたり多大なるご指導を賜りました中原先生、今村先生、そしてご助言をいただいた岡 志郎教授に心より御礼申し上げます。また、柘植教授をはじめとする肝臓研究室の先生方のご支援に深く感謝申し上げます。