2026年05月04日
下原康嗣先生の論文がDigesiton誌にアクセプトされました。
論文名:Increased Extracolonic Cancer Incidence and Mortality in Patients with Serrated Polyposis Syndrome with a History of Colorectal Cancer: A Comparative Cohort Study
コメント:鋸歯状ポリポーシス症候群(SPS)は大腸癌発症の高リスク群ですが、その臨床経過は非常に多様であり、個々の症例に応じた最適な管理戦略を構築することが長らく課題となっていました。
本研究では、SPS診断時における「大腸癌既往の有無」が、将来の大腸外癌(胃癌、肝細胞癌、膀胱癌等)の罹患率、さらには生命予後を予測する重要な指標であることを明らかにしました。本成果は、大腸癌合併例において大腸のみならず、全身的な監視を含む個別化されたサーベイランス体制が必要であることを提唱するものです。
本論文の作成にあたり、岡 志郎教授 には、筆頭著者である下原先生が市中病院へ異動後においても、長きにわたり温かいご指導とご厚情を賜り、研究の遂行に最後まで多大なるご支援をいただきました。また、研究の重要な課題であった「大腸癌合併の有無による2群間バイアス」への対応についても、研究デザインおよびデータ解釈の両面から的確なご指導を賜りました。単施設後ろ向き研究という制約の中で、本論文を学術的に意義ある形へと導いていただきましたことに、心より御礼申し上げます。
本論文は下原先生と瀧川の共同作業で作成しましたが、研究のコンセプトおよびデータの基盤の大部分は岸田圭弘先生、卜部祐司先生にご提供いただきました。また、実際の症例情報の集積においては、北台先生、長尾先生、迫先生には詳細なデータの掘り起こしという膨大な作業を負担してもらいました。短期間で無理を言ったところもあり、申し訳なく思っていますが、心から感謝しています。
私自身、十分に精通しているとは言い難い領域への挑戦ではありましたが、多くの先生方の温かいご厚意と度重なるご指導のおかげで、こうして原著論文として結実させることができました。この場をお借りして、本研究に関わってくださった全ての先生方に厚く御礼申し上げます。本研究が、SPS診療におけるより適切なスクリーニングならびにサーベイランス体制の構築に寄与することを願っております。
