濵田 拓郎先生

私は広島市立安佐市民病院にて初期研修を2年間行った後に広島大学病院消化器内科に入局しました。消化器内科ローテーションの際に内視鏡を操作することに楽しさを覚え、内視鏡診断・治療に強い興味を持ったことがきっかけでした。一般的に内科医は超音波・CTなどの生理学的検査や放射線画像の所見をみて診断をすることが多いですが、消化器内科医は内視鏡を通して病変そのものをみて診断・治療できることに魅力を感じました。また消化器内科の雰囲気の良さも選んだ理由の一つです。

後期研修は呉医療センター・中国がんセンターにて3年間行いました。消化器内科は領域が広く、そのため必要な知識や技術が多いこともあり当初は悪戦苦闘する日々でしたが、少しずつ習得していくことで充実した日々を送ることができました。消化器内科は市中病院においても配属されている医師が多いことが強みであると感じています。そのため様々な上司の先生方から多方面で指導していただき、また同じ後期研修医の先輩や後輩と共に学び、協力して楽しく診療を行っていくことができます。後期研修では医師としての礎を築くことができ、指導していただいた先生方には感謝しかありません。

消化器内科は、超音波検査や内視鏡検査など、非常に重要な検査や手技を学ぶことができるため、需要が高いです。大学病院や市中病院で臨床や研究に取り組むだけでなく、ライフイベントにあわせて勤務形態を柔軟に選び、家庭の時間も大切にしながら働くこともできるため、多くの医師におすすめできる科だと考えています。

新しい内科専門医制度が導入され、内科専門医になるためにはより多くの要素が必要になりました。これにより、内科を選ぶことに消極的になっている方もいるかもしれませんが、私たちも同じように制度の変更に戸惑いつつも、先輩や同僚の先生方は従来通り、内科専門医試験に合格しています。病院や医局からのサポートもあるため、安心して専門医の資格取得に向けて努力できます。

医学生や初期研修医の方で将来の診療科を迷っている方へ、消化器内科に少しでも興味を持たれている方がいましたら、ぜひ一度見学や研修でローテーションを経験してみて下さい。一緒に働くことを楽しみにしています。